「区」という言葉は、東京23区にも、政令指定都市の大阪市や横浜市にも使われています。しかし、この2つの「区」はまったく別の仕組みです。東京23区は「特別区」、政令指定都市の区は「行政区」と呼ばれ、法律上の位置づけが大きく異なります。
もともとは「東京市」の中の15区だった
東京23区は最初から23個だったわけではありません。1878年に東京府が15区に分けられ、1889年にはこの15区を市域とする「東京市」が誕生しました。1932年、市街地の過密化に対応するために区域が拡大されて35区となり、その後の統廃合を経て、1947年(昭和22年)の地方自治法施行で現在の23区に整理されました。
特別区は区長も区議会も住民が直接選ぶ
最大の違いは、区のトップの決め方です。東京23区(特別区)では、区長も区議会議員も、政令指定都市の「市」と同じように住民の選挙で選ばれます。一方、大阪市や横浜市などの政令指定都市に置かれる「行政区」の区長は、選挙では選ばれず、市役所から派遣された事務職員が務めます。つまり東京23区は、実質的に一つひとつが独立した基礎自治体に近い存在なのです。
2000年、「市町村と並ぶ自治体」に
制度上、特別区は長らく「特別地方公共団体」という、市町村(普通地方公共団体)とは別の扱いを受けてきました。しかし2000年の地方自治法改正により、東京23区は市町村と並ぶ「基礎的な地方公共団体」として正式に位置づけられ、より対等に近い立場になりました。
まとめ
同じ「区」という漢字でも、東京23区(特別区)は住民が首長と議会を直接選べる独立性の高い自治体、政令指定都市の行政区は市役所の内部組織という、まったく異なる仕組みです。市町村合併の歴史とはまた違う形で、大都市の統治の仕組みも時代とともに変化してきました。
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