学べる. 歴史と制度
🈴

平成の大合併で生まれた「ひらがな市」たち

なぜ漢字の地名を捨てて、あえてひらがなを選んだのか

平成の大合併(1999〜2010年)では、複数の市町村が対等に合併して新しい市が生まれる「新設合併」がたびたび行われました。その際、あえて漢字ではなく、ひらがな・カタカナの新市名を選んだ自治体が全国にいくつも誕生しています。

さいたま市 — 都道府県庁所在地として初のひらがな表記

その代表例が、2001年5月1日に旧・浦和市、大宮市、与野市が合併して誕生した「さいたま市」です。2003年4月には政令指定都市に移行し、2005年4月には岩槻市を編入しました。都道府県庁所在地としては初めての、ひらがな表記の市名です。

「吸収合併」に見えないための工夫

新設合併で漢字ではなくひらがな・カタカナの新市名が選ばれる背景には、「特定の旧市町村に吸収されたような印象を与えたくない」という配慮があるとされています。中心的な都市の名前をそのまま新市名にすると、周辺の町村が「編入された」と受け止められがちなためです。さいたま市の場合も、浦和・大宮という2つの有力な旧市の間で新市名をめぐる激しい議論があったことが知られています。

つくば市など、他にも各地に誕生

茨城県のつくば市も、ひらがな市名を持つ自治体の一つです。全国には他にも、旧地名の合成や、地域全体を表す呼び名をひらがな・カタカナで新市名にした例が複数存在します。

まとめ

ひらがな市の誕生は、平成の大合併という大きな制度変更の裏側で、それぞれの地域が「対等な合併」であることをどう表現するか苦心してきた歴史の一コマです。皆さんの町の名前にも、こうした合併の経緯が刻まれているかもしれません。

もっと詳しく知りたい方へ(外部リンク)

さいたま市 - Wikipediaさいたま市はなぜ合併したのか(SAITAMAZINE)

関連ページ

市町村合併の歴史を見る
なぜ県名と県庁所在地の名前が違う県があるのか
政令指定都市・中核市の違いを解説
他の「学べる」記事を見る