地域史
奈良県、30年の物語――平城遷都1300年祭を超えた観光客数と、過去最大となった人口減少幅
2026年8月6日
2024年、奈良市の観光入込客数調査によると、市内の観光客数は2010年に開催された「平城遷都1300年祭」の195万6千人を上回りました。平城遷都1300年祭は、平城京への遷都1300年を記念して奈良県が総力を挙げて開催した一大イベントで、その来場者数は長く奈良観光の象徴的な数字として語られてきました。特別なイベントの年ではない2024年に、その水準を上回る観光客を集めたことは、奈良観光の底力を示す出来事でした。
一方、人口面では厳しい記録が更新されています。2025年の国勢調査によると、2025年10月時点の奈良県の人口は126万9,180人で、減少幅は過去最大を記録しました。2024年10月時点の推計では、奈良県は死亡数が出生数を上回る自然減を、転入者が転出者を上回る社会増が一部相殺する形になっていましたが、それでも県全体の人口減少という大きな流れを止めるには至りませんでした。
2024年の関西2府4県全体の人口は0.4%減少する中、奈良県は数少ない「社会増」に転じた県の一つでした。奈良県内でも、大阪・京都への通勤圏にあたるベッドタウン地域では人口が増加する市町村がある一方、南部を中心に人口減少が顕著な地域もあり、県内でも明暗が分かれています。
特別な記念年でなくても平城遷都1300年祭を超える観光客を集める観光力と、国勢調査で過去最大を記録した人口減少幅。奈良県のこの30年は、古都としての観光の求心力と、県内でも地域差を伴いながら進む人口減少という、二つの異なる物語が同時に進んできた歳月です。
この記事はMACHI.編集部が中立的な立場で執筆しています
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