地域史
山梨県、30年の物語――4年連続の社会増なのに人口が減り続ける理由と、2031年開業予定のリニア新駅
2026年8月5日
山梨県の人口は2024年10月1日時点で79万1,000人となり、前年から0.63%(約5,000人)減少しました。ピークだった2000年と比べると11.2%の減少で、約3人に1人が高齢者という人口構成になっています。
興味深いのは、この人口減少が「転出が転入を上回っている」ことによるものではない、という点です。山梨県では社会増加率が0.22%となっており、転入者が転出者を上回る「社会増」がこれで4年連続続いています。それでもなお総人口が減っているのは、死亡数が出生数を上回る自然減少率が0.86%と、社会増を大きく上回っているためです。人が県外から流入してきているのに、それ以上のペースで人口が自然に減っていく――多くの地方が経験する「転出超過による人口減少」とは異なる構図が、ここにはあります。
そんな山梨県で、大きな交通インフラの節目がありました。2026年3月11日、JR東海がリニア中央新幹線の山梨県駅(仮称)の起工式を甲府市で開いたのです。これは東京・品川から名古屋までの全6駅の中で最後の着工でした。工期は2031年12月までで、同年9月末までの完成を予定しています。開業すれば、山梨県駅は品川駅と約25分、名古屋駅と約45分で結ばれる見通しです。
転入者は増えているのに自然減がそれを上回り続けるという静かな縮小と、東京・名古屋のどちらとも1時間弱で結ばれることになる新しい駅の着工。山梨県のこの30年は、「人を呼び込む力」は確かに機能しているのに、それだけでは足りない人口動態の重みと、その先にある新しい交通の結節点への期待が、同時に存在してきた歳月です。
この記事はMACHI.編集部が中立的な立場で執筆しています
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