地域史
福井県、30年の物語――新幹線開業で観光客が過去最高になった年に、人口は2040年64.7万人の予測
2026年8月5日
2024年3月16日、北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸開業しました。これにより県内各駅から東京までが新幹線で直結し、関東・信越・北陸沿線地域へのアクセスが大きく向上しました。開業効果は数字にはっきりと表れています。2024年の福井県内観光客数は2,069万人と過去最高を記録し、県外客のうち関東圏からの来訪者数は前年比41.8%という大幅な伸びを見せました。2024年度の観光来訪者増加率は全国トップだったといいます。
新幹線開業の恩恵を最も象徴的に受けた施設が、福井県立恐竜博物館です。2022年12月から改修のため休館し、2023年7月にリニューアルオープンしたこの博物館は、2024年度に年間入館者数が100万人を突破しました。開館以来初めての100万人超えです。来館者の地域構成にも変化が見られ、関西からの来館者が29.0%で最多を占めるようになりました。館長自身が「北陸新幹線開業の影響を実感している」と語っています。
一方で、県の長期的な人口見通しは厳しいままです。福井県は2040年に人口が64.7万人まで減少すると推計しています。県はこの点について、同時期までに北陸新幹線やリニア中央新幹線の全線開業が実現し、立地条件そのものは飛躍的に向上しているという見立てを示していますが、交通インフラの向上と人口減少という長期トレンドは、今のところ別々の力として働いています。
観光客数が過去最高を記録し、恐竜博物館が初めて年間100万人を超えた同じ年、県は2040年に人口が現在より大きく減るという将来推計を抱えています。福井県のこの30年は、新幹線という交通インフラが「訪れる人」を確実に増やす一方で、「住む人」の数を増やすことの難しさを、同時に映し出してきた歳月です。
この記事はMACHI.編集部が中立的な立場で執筆しています
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