富山県、30年の物語――78年ぶりに割り込んだ人口100万人と、新幹線が生んだ年間304億円

地域史

富山県、30年の物語――78年ぶりに割り込んだ人口100万人と、新幹線が生んだ年間304億円

2026年8月4日

2025年の国勢調査で、富山県の人口は前回調査比4.7%減の98万5,675人となり、78年ぶりに100万人を下回りました。富山県の人口減少は1998年の112万6,000人をピークに始まっており、これは全国的な人口ピーク(2008年頃)よりも約10年早いタイミングでした。2023年の年齢階級別の内訳を見ると、0〜14歳が2.5%減、15〜64歳が0.9%減、65歳以上でさえ0.7%減となっており、高齢者人口までもが減り始めている点に、縮小の根深さが表れています。

2015年3月、北陸新幹線が金沢まで延伸開業しました。開業5年目の経済波及効果を分析した日本政策投資銀行のレポートによれば、富山県への経済波及効果は年間304億円と試算されています。東京からのアクセスが大幅に改善し、交流人口の拡大という形で確かな効果をもたらしました。しかし、この経済効果は人口減少という長期トレンドそのものを反転させるには至らず、新幹線開業から10年後に富山県は「100万人割れ」という節目を迎えることになりました。

富山県にはもう一つ、経済効果を生み続けている観光資源があります。1971年に全線開業し、2026年に55周年を迎える「立山黒部アルペンルート」です。日本政策投資銀行北陸支店の分析では、その経済波及効果は年間110億円超と試算されています。新幹線とアルペンルートという二つの交通・観光インフラが、それぞれ年間300億円・100億円規模の経済効果を県にもたらし続けている構図です。

新幹線が年間304億円、アルペンルートが年間110億円超という経済効果を生み出しながらも、人口はピークから10年早く減り始め、ついに78年ぶりに100万人を割り込んだ富山県。この30年は、交通インフラや観光資源がもたらす確かな経済的果実と、それだけでは覆せない人口動態の重みが、同時に存在してきた歳月です。

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この記事はMACHI.編集部が中立的な立場で執筆しています

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