栃木県、30年の物語――県全体は人口減少、次世代路面電車の沿線だけが人口増

地域史

栃木県、30年の物語――県全体は人口減少、次世代路面電車の沿線だけが人口増

2026年8月3日

総務省の調査によると、2024年1月1日時点の栃木県の総人口は191万6,787人で、前年から1万2,647人(0.66%)の減少でした。日本人人口に限ると1万7,749人(0.94%)の減少となり、これは過去最大の減少幅です。全国的な少子高齢化の縮図が、この県にもそのまま表れています。

ところが2023年8月に開業した「宇都宮ライトレール(愛称:ライトライン)」の沿線では、まったく逆の動きが確認されています。宇都宮市・芳賀町全体の人口が減少傾向にある中、ライトライン沿線に限れば、事業化前の2012年と比較して2024年3月時点で約5,000人(約8%)の人口増加が見られます。生産年齢人口だけを見ても、宇都宮市全体ではピーク時より8,500人減少しているのに対し、沿線では逆に約2,100人増加しました。開業後の利用者数も好調で、2024年11月には累計600万人に達し、平日は1日あたり1万5,000〜1万8,000人が乗車しています。次世代型路面電車という新しい交通インフラ一本が、その沿線だけを人口減少の流れから切り離してみせた形です。

栃木県は自動車関連産業の集積地としても知られ、県内には大手自動車メーカーの工場が複数立地しています。こうした製造業の存在は、県全体の人口減少という大きな流れの中でも、地域の雇用と経済を下支えする土台であり続けています。

県全体としては過去最大の人口減少幅を記録しながら、新しい公共交通が敷かれた一角だけは人口が増えていく。栃木県のこの30年は、大きな縮小トレンドと、局所的な投資が生み出す小さな逆流が、同じ県内で同時に進んできた歳月です。

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この記事はMACHI.編集部が中立的な立場で執筆しています

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