地域史
茨城県、30年の物語――「魅力度」最下位からの脱出と、つくば市だけが増え続ける人口
2026年8月2日
ブランド総合研究所が毎年発表する「地域ブランド調査」の都道府県魅力度ランキングで、茨城県は長年にわたり最下位の常連でした。2023年も47位(最下位)でしたが、2024年10月発表の調査では45位となり、最下位を脱出しました。同年の最下位は佐賀県で、茨城県が長く背負ってきた「魅力度ワースト」のイメージには、統計上の変化が見え始めています。
一方、県全体の人口は減少局面にあります。2024年4月1日時点の総人口は281万2,901人で、前月比5,628人の減少。内訳は自然減2,456人、社会減3,172人で、同年3月単月の出生数1,099人に対し死亡数は3,555人と、死亡数が出生数を大きく上回る状態が続いています。
この県全体の縮小傾向とは対照的な動きを見せているのが、つくば市です。1987年に4町村が合併して誕生した当初の人口は約11万人でしたが、2005年のつくばエクスプレス(TX)開業を境に人口は増加を続け、20万人の大台に乗りました。2022年6月には25万人を突破し、直近の人口増加率は1.47%と、全国の市区部の中でも東京都特別区を除けば1位という水準です。TX沿線で新しく造成された街に子育て世代が転入を続けていることが主な要因で、研究学園都市として集積した研究機関・企業も若年層の受け皿になっています。
47位という「魅力度」の底からの回復と、TX沿線という一部エリアだけが人口を増やし続ける現実。茨城県のこの30年は、外部からのイメージという物差しと、実際の人の動きという物差しが、それぞれ違うタイミング・違う場所で変化してきた歳月です。
この記事はMACHI.編集部が中立的な立場で執筆しています
他のコラムを見る