三重県、30年の物語――20年に一度の神事が呼んだ、1420万人という参拝者数

地域史

三重県、30年の物語――20年に一度の神事が呼んだ、1420万人という参拝者数

2026年7月27日

三重県伊勢市にある伊勢神宮では、20年に一度、社殿を新しく建て替えて神様に遷っていただく「式年遷宮」という神事が行われます。単なる建物の修繕ではなく、社殿そのものを隣接する敷地に新築し、御神体を遷す一大行事です。この周期は1300年以上にわたって続けられてきました。

式年遷宮の年には、決まって参拝者数が跳ね上がります。過去の記録を見ると、1953年の遷宮年には前年比58%増の約482万人、1973年には同38%増の約859万人、1993年には同27%増の約839万人が参拝しました。そして直近の2013年10月、第62回式年遷宮が行われた年には、内宮・外宮を合わせて1,420万4,816人という、統計を取り始めて以来最多の参拝者数を記録したのです。

この参拝者数の急増は、三重県内の経済にも大きな影響を与えました。地元金融機関である百五銀行のシンクタンク・百五経済研究所は、式年遷宮に伴う参拝客の急増などによる経済効果を2,416億円と試算しています。宿泊、飲食、土産物、交通機関など、伊勢市周辺の幅広い業種がこの一時的な参拝ブームの恩恵を受けました。

ただし、式年遷宮が生む効果は、20年という周期のたびに繰り返される一過性のものでもあります。1993年から2013年までの20年間、そして次の第63回式年遷宮が予定される2033年までの20年間、三重県は遷宮の年に押し寄せる参拝者をどう地域に定着させるかという課題と、繰り返し向き合ってきました。実際、1953年→1973年→1993年→2013年と、遷宮年ごとの参拝者数の伸び率は58%→38%→27%と、回を重ねるごとに緩やかになっている傾向も見て取れます。

1300年続く神事が、20年に一度、三重県に数百億円規模の経済効果と過去最多の参拝者をもたらす。この仕組みは、地域が持つ「文化的な資産」が、正しく運用されれば現代でも十分に経済的な価値を生み出せることを示す、稀有な事例だと言えるでしょう。次の式年遷宮は2033年。三重県にとって、その日はもう10年を切っています。

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この記事はMACHI.編集部が中立的な立場で執筆しています

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