政策・社会
「管理不全空き家」実家は大丈夫?固定資産税が変わる制度
2026年7月20日
実家が空き家のまま、という方は少なくないのではないでしょうか。全国の空き家数は約900万戸と過去最多の水準が続いており、多くの家庭にとって他人事ではないテーマになっています。そんな中、2023年の法改正で新しくできた「管理不全空家」という区分が、2024年以降じわじわと運用が本格化し、2026年の今も対象となる空き家が各地で増えています。今日はこの制度について、できるだけわかりやすく整理してみます。
そもそも住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」という仕組みがあり、更地に比べて固定資産税が大きく軽減されています。これまでは、倒壊の危険があるほど傷んだ「特定空家」に指定されない限り、空き家であってもこの軽減は続いていました。ところが法改正により、特定空家ほど深刻でなくても「管理が行き届いていない」と自治体が判断した空き家は「管理不全空家」に区分され、勧告を受けて改善しないまま次の課税の基準日を迎えると、軽減の対象から外れてしまう仕組みが加わりました。軽減がなくなると、同じ土地でも固定資産税の負担は大きく増えることになります。
この制度に理解を示す立場からは、空き家の放置が周辺の景観や安全、防犯面で近隣に迷惑をかけているケースが実際にあり、「所有者に適切な管理を促す後押しになる」という声が上がっています。空き家を放置するより、更地にする、貸し出す、売却するといった次の一歩を踏み出すきっかけになるという期待です。
一方で、慎重な立場からは「管理する時間もお金もない」という所有者の事情への配慮が足りないのではないか、という指摘もあります。遠方に住んでいて頻繁に手入れに行けない、相続したばかりで方針が決まっていない、解体費用が用意できないなど、放置しているつもりはなくても対応が追いつかない家庭は少なくありません。勧告からいきなり負担増につながる前に、自治体の相談窓口や支援制度をもっと周知すべきだという意見です。
これから先を考えると、いくつかの道筋がありそうです。自治体からの勧告をきっかけに、解体して更地として活用したり、リフォームして貸し出したり、空き家バンクを通じて売却したりと、次の活用に踏み出す所有者が増えていくケースが一つ。逆に、事情があって対応が難しいまま特例が外れ、負担だけが増えてしまうケースも一定数出てくることが考えられます。地域によっては、空き家対策の相談窓口やリフォーム補助を用意しているところもあるため、早めに情報を集めておくかどうかで結果が変わってきそうです。
実家や親戚の家が空き家になっている、あるいはこれから空き家になりそうだという方にとっては、まず「今どういう状態に区分されているか」を市区町村に確認してみることが、負担を避ける一番の近道になります。空き家を「そのままにしておく」ことのコストが以前より見えやすくなった今、活用するか、手放すか、あるいは自分たちで住み継ぐか、家族で一度話し合っておく良いタイミングなのかもしれません。
この記事はMACHI.編集部が中立的な立場で執筆しています
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