地域史
東京都、30年の物語――横ばいの時代から、再び伸び続ける街へ
2026年7月14日
東京都の人口は、1975年から1995年までの20年間、ほとんど横ばいで推移していました。「東京はもう増えない」とすら言われていた時代です。ところがその後、東京都の人口は増加に転じ、2025年10月時点で1,424万6,219人と、2020年の前回調査から約20万人も増えました。30年前の「横ばいの東京」は、今や日本で最も人が集まり続ける街になっています。
この変化を象徴するのが渋谷です。渋谷区は1995年を境に人口が増加に転じ、転入が転出を上回る「社会増」の状態が長く続きました。2010年代からは官民連携による大規模な再開発が本格的に始まり、駅周辺の巨大な建て替えが次々と進みました。この再開発は完成の目安が2034年度とされており、着手から完結までおよそ30年以上を要する、息の長いプロジェクトです。まちが生まれ変わるには、それだけの時間がかかるということでもあります。
ただし、東京の物語は「一直線の成長」だけでは語れません。2025年10月時点の調査では、千代田区・渋谷区・目黒区という都心3区が人口減少に転じたことが分かっています。都心のマンション価格の高騰や、働き方の多様化によって住まいを選ぶ基準そのものが変わりつつあることの表れとも言われています。東京都全体の人口も、2025年の1,398万人あたりをピークに、やがて減少へ向かうと見込まれています。
一方で、江戸時代から続く神田祭は、隔年で今も5月に東京の街を練り歩いています。日本三大祭りの一つに数えられ、時代がどれだけ変わっても、神輿と祭り囃子の熱気は変わりません。オフィス街としての顔を持ちながら、こうした伝統行事が今も暮らしの中に息づいていることも、東京という街の厚みを物語っています。
30年前は「これ以上増えない」と思われていた街が、姿かたちを変えながら成長を続け、その中でまた新しい変化の兆しを見せている。東京都のこの30年は、一つの結論に収まらない、今も書き続けられている物語です。
この記事はMACHI.編集部が中立的な立場で執筆しています
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